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健康診断の結果の見方や管理する上で知っておくべきことをご紹介

作成者: Growbase編集部|10/11/21 12:40 AM

健康診断を管理する上で、担当者が知っておくべきことは多数あります。管理についての基本はもちろんですが、健康診断の結果そのものに関連する項目についても理解しておくことは必須です。

特に、結果がいつ頃出るのか、検査項目ごとの結果の見方などについては知っておくべきでしょう。
そこで今回は、健康診断の結果を管理する上で知っておきたいことについて紹介していきます。

健康診断の結果はいつ頃出るのか

そもそも、健康診断を受診してから結果が出るまで、どれくらいの時間がかかるのか知りたいという方もいるかもしれません。

結論からいうと、結果が出るまでの期間は健康診断を受診する病院によってまちまちです。当日中に出る場合もあれば、2〜4週間ほどかかる場合もあります。

健康診断の結果の見方

健康診断には多くの項目があり、それぞれによって見方が異なります。主な検査項目は以下の通りです。

  • 身体計測
  • 血圧検査
  • 視力検査
  • 聴力検査
  • 肺機能検査
  • 血液検査
  • 尿検査

では、各項目ごとに結果の見方を見ていきましょう。

身体計測

BMIとは、人の肥満度を表す体格指数で、身長に見合った体重かどうか判定する数値です。BMI値22前後が最も病気が少なく、このときの体重を標準体重としています。
計算式:BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)

  要経過観察 異常なし 要経過観察
体格指数(BMI) 18.4以下(低体重) 18.5〜24.9 25.0以上(肥満)

肥満のなかでも、特に内臓脂肪型肥満(腹腔内脂肪蓄積)は内臓周囲に脂肪がたまるため、動脈硬化を進行させます。腹囲計測は、内臓脂肪型肥満をみる指標の一つとされています。

  異常なし 要経過観察
男性(cm) 84.9以下 85.0以上
女性(cm) 89.9以下 90.0以上

血圧検査

血液から血管の壁にかかる圧力のことで、普通は上腕の動脈について測定した値のことをいいます。心臓が収縮して血液を送り出したときの圧力最大値を、収縮期血圧(最高血圧)といい、心臓が拡張して静脈側の血液を吸い込んだときの圧力最小値を、拡張期血圧(最低血圧)といいます。

  異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
収縮期血圧(mmHg) 129以下 130〜139 140〜159 160以上
拡張期血圧(mmHg) 84以下 85〜89 90〜99 100以上

視力検査

視力検査の基準数値は以下の通りです。眼の病気がないのに裸眼視力が 0.6以下だった場合は近視・乱視の可能性があります。

異常なし 要経過観察 要医療
1.0以上 0.7〜0.9 0.6以下

聴力検査

選別聴力検査として1000Hz(低音域)と4000Hz(高音域)の聴力をオージオメーターで調べます。健診では、自分で気が付かない難聴を指摘されることがあります。その時点で耳鼻咽喉科を受診し精密検査を受けることで、難聴の程度やどの部位が原因なのか、また、必要な対応は何か早期に指導を受けることができます。

  異常なし 要経過観察 要医療
1,000Hz 30dB以下 35dB 40dB以上
4,000Hz 30dB以下 35dB 40dB以上

肺機能検査

肺機能検査とは、呼吸により肺から出入りする空気の量を測定し、肺の容積や気道が狭くなっていないかなど呼吸の能力を調べる検査です。

%肺活量:年齢、性別、身長から算出された予測肺活量に対して、肺活量が何%であるかを調べます。
1秒率:年齢、性別、身長から算出された予測1秒量に対して、1秒量が何%であるかを調べます。

  異常なし 要経過観察 要医療
1秒率(%) 70.0以上   69.9以下
%1秒量
(予測1秒量に対する割合、%)
80.0以上
(1秒率70.0%以上)
79.9以下
(1秒率70.0%以上)
または
80.0以上
(1秒率69.9%以下)
79.9以下
(1秒率69.9%以下)
%肺活量(%) 80.0以上   79.9以下

血液検査

血液は血管の中を巡り、身体のすみずみに酸素や栄養などを送り届けています。血液検査は、その血液に含まれている細胞や酸素、抗体などの数を数値化して、病気の診断やリスクを見つける検査です。

  要医療 要経過観察 異常なし 軽度異常 要医療
総たんぱく(g/dL) 6.1以下 6.2〜6.4 6.5〜7.9 8.0〜8.3 8.4以上
  要医療 要経過観察 異常なし
アルブミン(g/dL) 3.6以下 3.7〜3.8 3.9以上
  異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
AST(GOT)(U/L) 30以下 31〜35 36〜50 51以上
ALT(GPT)(U/L) 30以下 31〜40 41〜50 51以上
  異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
γ-GT(γ-GTP)(U/L) 50以下 51〜80 81〜100 101以上
  異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
クレアチニン(mg/dL) 男性 1.00以下 1.01〜1.09 1.10〜1.29 1.30以上
女性 0.70以下 0.71〜0.79 0.80〜0.99 1.00以上
  要医療 要経過観察 異常なし
HDLコレステロール(mg/dL) 34以下 35〜39 40以上
  要医療 異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
LDLコレステロール(mg/dL) 59以下 60〜119 120〜139 140〜179 180以上
  要医療 異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
中性脂肪(mg/dL) 29以下 30〜149 150〜299 300〜499 500以上
  異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
空腹時血糖(mg/dL) 空腹時血糖:99以下
かつ、HbA1c:5.5以下
以下のいずれかのもの
①空腹時血糖:100〜109かつ、HbA1c:5.9以下
②空腹時血糖:99以下かつ、HbA1c:5.6〜5.9
以下のいずれかのもの
①空腹時血糖:110〜125
②HbA1c:6.0〜6.4
③空腹時血糖:126以上かつ、HbA1c:6.4以下
④空腹時血糖:125以下かつ、HbA1c:6.5以上
空腹時血:126以上かつ、HbA1c:6.5以上
HbA1c(NGSP)(%)
    要医療 要経過観察 異常なし 軽度異常 要医療
血色素量(g/dL) 男性 12.0以下 12.1〜13.0 13.1〜16.3 16.4〜18.0 18.1以上
女性 11.0以下 11.1〜12.0 12.1〜14.5 14.6〜16.0 16.1以上
  要医療 異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
白血球数(103/μL) 3.0以下 3.1〜8.4 8.5~8.9 9.0〜9.9 10.0以上
  要医療 要経過観察 軽度異常 異常なし 軽度異常 要医療
血小板数(104/μL) 9.9以下 10.0〜12.2 12.3〜14.4 14.5〜32.9 33.0〜39.9 40.0以上

また、それぞれの数値に異常があった場合に考えれられる病気や症状についても確認しましょう。

総たんぱく 低い:ネフローゼ症候群、重症肝障害、栄養障害、炎症性疾患
高い:多発性骨髄腫、慢性炎症性疾患、悪性腫瘍、脱水症
アルブミン 低い:ネフローゼ症候群、重症肝障害、甲状腺機能亢進症、栄養障害
AST(GOT) 高い:ウイルス性肝炎、肝がん、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、心筋梗塞、筋肉疾患
ALT(GPT) 高い:ウイルス性肝炎、肝がん、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
γ-GT(γ-GTP) 高い:アルコール性肝炎、閉塞性黄疸、肝硬変、肝がん、脂肪肝、薬剤性肝障害
クレアチニン 低い:尿崩症、筋ジストロフィー、多発性筋炎、筋萎縮性側索硬化症、妊娠
高い:腎不全、心不全、糸球体腎炎、間質性腎炎、尿管結石、前立腺肥大、脱水症
尿酸 低い:重症肝障害、腎性低尿酸血症
高い:痛風、無症候性高尿酸血症、腎不全
HDLコレステロール 低い:脂質異常症、肥満、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全
高い:原発性胆汁性肝硬変、肺気腫
LDLコレステロール 低い:肝硬変、劇症肝炎、甲状腺機能亢進症、栄養障害
高い:家族性高コレステロール血症、甲状腺機能低下症、糖尿病、脂肪肝、ネフローゼ症候群
中性脂肪 低い:甲状腺機能亢進症、肝硬変、副腎不全
高い:ネフローゼ症候群、急性膵炎、糖尿病、脂肪肝、甲状腺機能低下症
空腹時血糖 低い:インスリン・経口糖尿病薬の使用、下垂体機能低下症、副腎機能低下症、肝臓がん
高い:糖尿病、膵臓がん、急性膵炎、慢性膵炎
HbA1c(NGSP) 低い:溶血性貧血、肝硬変、腎性貧血
高い:糖尿病
赤血球・血色素量・ヘマトクリット 低い:貧血
高い:真性多血症、二次性多血症、脱水症による血液濃縮
白血球数 低い:ウイルス感染症、薬剤アレルギー、再生不良性貧血
高い:白血病、骨髄増殖性疾患、感染症(細菌・ウイルス)
血小板数 低い:白血病、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、肝硬変
高い:本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、鉄欠乏性貧血、出血

尿検査

尿検査とは、尿中の蛋白や糖などを調べ、さまざまな病気やその兆候を知ることができる検査です。尿中の蛋白は腎臓の病気、潜血は結石や腎炎等、糖は糖尿病関連の可能性があります。

  異常なし 軽度異常 要経過観察 要医療
尿糖 (-) (±)以上    
尿蛋白 (-) (±) (+) (2+)以上
尿潜血 (-) (±) (+) (2+)以上

結果が悪かった場合

健康診断の結果が悪かった場合、以下の判定結果が返されます。

  • 軽度異常
  • 要経過観察(生活改善・再検査)
  • 要医療(要医療・要精密検査)

それぞれの判定結果に沿った対応をしていきましょう。

健康診断の結果の管理

ここまでの項目は、「健康診断の概要」がメインでした。ここからは、健康診断の結果を管理する点にスポットを当ててご紹介します。管理する上での注意点や、紙媒体とデータ管理の違いについて解説していきす。

管理をする上で気をつけておきたいこと

健康診断の結果を管理する上で、まず念頭に置いておくべきなのは、個人情報を取り扱っていることです。個人情報の管理が杜撰だと企業の信用度にも関わりますし、何より健康診断を受診した方々に多大な迷惑がかかってしまいます。個人情報の管理の意識を強く持つことが、何より大切です。

それに付随し、管理する情報は必要最低限のみにしておくことが推奨されます。必要以上の情報を保管しておくと、万が一漏洩してしまった場合の被害が甚大です。漏洩してしまうことも想定し、管理する情報は可能な限り最小限に押さえましょう。

また、検査結果を遅滞なく送付することも大切です。検査を受けた方と管理する側、どちらにも被害がないように意識しておかなくてはいけません。

紙媒体とデータでの違いは?

最近では、健康診断の結果を紙媒体からデータ管理に変更している企業も多数あります。では、紙媒体とデータでの管理にはどういった違いがあるのでしょうか。

まず第一に挙げられるのは、経費削減の観点です。紙媒体は作成が簡単な分、一枚一枚に費用が発生してしまうというデメリットがあります。対して、データ管理であれば一括管理ができるため、大幅な経費削減が期待できます。

ただし、紙媒体での管理はデメリットばかりではありません。健康診断の結果を紙で残してファイリングしてアーカイブ化しておけば、結果を再度確認したい時に時間が節約できます。何らかのトラブルでデータが消えてしまう、といった心配もありません。

紙媒体での管理にメリットがあるとはいえ、ほとんどの機関ではデータ管理が推奨され、導入されています。実際に、健康診断の結果をデータ化するクラウドサービスも増加しています。データ管理を導入すれば、上記に挙げたファイリング自体の手間がかかりません。バックアップなどの対策をしっかり取っておけば、万が一のトラブルも必要最低限に防げます。

もし現段階で健康診断の結果を紙媒体で管理しているのであれば、この機会にデータ管理への移行を検討してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は、健康診断の結果がいつ頃出るのか、どういった項目があるのかという基本的な点を始め、管理方法などについても解説していきました。

健康診断の結果が出るのは受診する機関によってまちまちです。検査項目も今回紹介したものを全て実施しない場合もありますので、今回挙げたもので特に気になるものがある場合は、受診前に問い合わせをしてみましょう。受診後、万が一悪い結果が出てしまった場合、自己判断で受診するかどうか決めてはいけません。医師の指示に従い、最も適した対処法をとるようにしましょう。

企業側の目線としては、健康診断の結果を管理するという視点を身につけておくことも重要です。管理をする上で注意しておくべき点はどこなのか、という意識を常に持つようにしましょう。また、従来紙媒体で管理を行っている企業は、データ管理への移行を検討すると良いでしょう。経費や時間の削減に繋がります。

今回の内容を参考に、健康診断の概要について改めて触れ、管理の観点での意識をさらに高めていただけると幸いです。