健康診断証明書は、企業が必要に応じて新卒の新入社員から受け取る書類です。普段目にしてはいても、健康診断証明書の内容をしっかり把握している担当者の方は少ないのではないでしょうか。
今回は、健康診断証明書や証明書に記載されている検査内容についてまとめました。健康診断証明書を受け取るときの参考にしてください。
健康診断証明書とは、主に学生が受診した健康診断の結果が記載された証明書です。大学の保健管理センターなどで発行され、新卒の新入社員、学生や新卒のアルバイト・パート従業員などから、定期健康診断の結果を証明するために受け取ります。受け取るタイミングは、内定時など入社が決定した段階が多いです。
続いて、健康診断証明書に関する具体的な内容について理解していきましょう。健康診断証明書を受け取る従業員の区分と、証明書に記載される健診の内容についてまとめました。
企業は、常時使用する従業員に対し、雇入れ時に健康診断を実施する義務があります。ただし、新しく雇う従業員が医師による健康診断を受けてから3ヶ月以内の場合、その健康診断の結果を証明する書類を提出すれば、雇入れ時の健康診断に替えることも可能です(労働安全衛生法第43条)。
雇入れ時健康診断の対象となるのは、新たに雇い入れる常時雇用する従業員です。常時雇用する従業員には正社員と、パート・アルバイトの一部が含まれます。常時雇用する従業員に含まれるパート・アルバイトとは、以下の4つのいずれかに当てはまる者です。
この他にも、健康診断証明書は採用選考時の健康状態の確認などに使うこともあります。
問診内容は2種類です。
1では今までに大きな病気をしたことがあるかや、どんな職業に従事しているかを尋ねます。2では、健康面で気になる点を尋ね、医師から見て客観的に何かしらの症状があるかをチェックし、必要に応じて検査を行います。
雇入れ時健康診断の検査内容です。主な検査項目は以下の9種類です。
雇入れ時健康診断の代わりとして健康診断証明書を受け取る場合、問診2種類、検査9種類の結果がすべて必要です。省略することはできませんので、必ず11種類すべてが記載されているか確認しましょう。
新卒の新入社員や学生の場合、所属する大学の保健管理センターなどで健康診断を受診できます。多くの大学では定期的に健康診断を実施しており、検査結果を健康診断証明書として発行しています。
続いて、健康診断証明書に関する注意事項を紹介します。証明書を受け取った時のチェック項目にもなるため、しっかりと理解してください。
1つ目の注意点は、健康診断証明書の有効期限についてです。
健康診断証明書そのものの有効期限は「年度内」とされています。しかし、雇入れ時健康診断の代替として提出を求める場合、入社前3ヶ月以内に受診した健康診断でなくてはなりません。大学によっては健康診断証明書の発行に1~2か月程度かかることもあるため、有効期限をよく確認しましょう。
2つ目の注意点は、健康診断証明書の記載項目についてです。
健康診断証明書を雇入れ時健康診断に替える場合、必ず上記で示した問診2種類、検査9種類の合計11種類が記載されていなくてはなりません。1つでも受診していなかった場合は、雇入れ時健康診断に替えることはできません。受け取った健康診断証明書に、11種類の内容があるか確認しましょう。
もし、雇入れ時健康診断の代わりに受け取るべき健康診断証明書が有効期限を過ぎていたり、11種類の検査項目に不備がある場合は、足りなかった項目のみの受診もしくは、雇入れ健康診断の実施が必要です。
この記事では、健康診断証明書の記載内容や提出を求める従業員の区分についてまとめました。健康診断証明書について理解を深め、必要な従業員から提出されているかを確認して、健全な企業経営につなげましょう。