労働者の安全衛生を守ることは、事業者に課せられた義務の一つです。では、具体的に安全衛生とはどのような概念で、どのような体制を整えれば良いのでしょうか。本記事では、安全衛生の基本的な考え方や目的、具体的な施策や整備すべき体制、関連法案について詳しく解説します。安全衛生について包括的に知りたい企業の担当者、経営者の方はぜひご一読ください。
まずは、安全衛生の基本的な考え方とその目的について理解しましょう。
従業員の安全衛生を守ることは、労働安全衛生法でも定められた事業者の義務です。事業者の中には、安全衛生のために設備投資を行うことや、安全衛生のための教育訓練を行うことに前向きでないところもありますが、それは大きな間違いです。労働災害が発生することは、単に生産性がダウンしたり売上に影響を及ぼしたりするだけでなく、企業のイメージ低下につながる恐れもあります。
労働災害が多発する現場では、従業員はいつ、どこで事故に巻き込まれるかわからないため、不安を抱えながら業務に携わることになるためです。また、労働災害が多いというイメージがついてしまうと、人材募集をしても「あの企業に行ったら生命の危機があるかもしれない、病気になってしまうかもしれない」と思われてしまい、応募者も集まらないでしょう。
そこで、労働災害のない安全な職場環境を維持するために、安全衛生という考え方が必要なのです。安全衛生のための設備投資や教育訓練など、安全衛生のためにかけるコストは決して無駄になることはありません。経営者、幹部層はそれをしっかりと意識し、従業員の安全衛生確保が重要な責務であることをしっかり認識しましょう。
また、安全衛生ではついつい設備機器や作業環境など、身体的な労働災害につながりやすい部分にばかり着目してしまいますが、長時間労働や職場の人間関係など、労働環境からくるメンタルヘルスの不調も忘れてはいけません。実際に、健康日本21フォーラム「疾患・症状が仕事の生産性などに与える影響に関する調査」によれば、メンタルヘルスの不調は身体の不調よりも生産性を低下させてしまうことがわかっています。
従業員の安全衛生がしっかり守られ、職場環境の安全性や快適性が確保されていれば、心身共に不調を引き起こす従業員は減るでしょう。メンタルヘルスや身体的な安全性が守られている環境では、従業員自身が十分にパフォーマンスを発揮できます。そのため、生産性アップやモチベーションアップにつながり、ひいては企業の成長にもつながるのです。
安全衛生の考え方をまとめると、職場における安全衛生の目的とは、企業経営において大切な「人材」というリソースを守るために、労働災害を防止し、従業員の心身の安全と健康を維持することだと言えます。労働安全衛生法は、このように「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」という目的で制定されました。
ここからは、安全衛生において事業者が行うべき対策や、整えるべき体制について詳しく解説します。
安全衛生を実践するにあたり、事業者が行うべき対策を3つ紹介します。
安全衛生において最も重要なのは、労働災害の防止です。労働災害とは業務上の災害のことであり、業務との因果関係が重視されます。業務と傷病等との間に一定の因果関係が認定されると、労災保険法(「労働者災害補償保険法」)が適用されます。では、業務災害において、労災保険が適用されるのはどのような場合なのでしょうか。
業務災害と判断されるためには、以下の2点が必要です。
業務上と認められるためには業務起因性が認められなければならず、その前提条件として業務遂行性が認められる必要があります。
この業務遂行性は次の3つの類型に分けて判断されます。
(1)事業主の支配・管理下で業務に従事している場合
所定労働時間内や残業時間内に事業場施設内で業務に従事している場合が該当し、特段の事情がない限り、業務災害と認められます。
(2)事業主の支配・管理下にあるが、業務に従事していない場合
昼休みや、就業時間前後に事業場施設内にいるものの業務に従事していない場合が該当し、私的な行為で発生した災害は業務災害とは認められません。ただし、事業場の施設・設備や管理状況等が原因で発生した災害は業務災害となります。
(3)事業主の支配下にはあるが、管理下を離れて業務に従事している場合
出張や仕事で外出中に事業場施設外で業務に従事している場合が該当します。積極的に私的行為を行うなど特段の事情がない限り、一般的には業務災害と認められます。
このような業務災害を起こさないためには、事業者は危険防止の措置を行わなくてはなりません。例えば、労働安全衛生法では以下のような危険防止措置が定められています。
危険防止のため、事業者が措置を講じる必要がある対象 (第20条1〜3) |
機械、器具その他の設備による危険 爆発性の物、発火性の物、引火性の物などによる危険 電気、熱その他のエネルギーによる危険 |
健康障害を防止するため、必要な措置を講じる必要がある対象 (第22条1〜4) |
原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体などによる健康障害 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧などによる健康障害 計器監視、精密工作などの作業による健康障害 排気、排液または残さい物による健康障害 |
建設物、その他の作業場 (第23条) |
通路、床面、階段などの保全ならびに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難および清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀および生命の保持のための必要な措置を講じなければならない。 |
労働災害について (第24条) |
事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため、必要な措置を講じなければならない。 |
労働災害が発生するような、急迫した危険 (第25条) |
事業者は、労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を作業場から退避させるなど、必要な措置を講じなければならない。 |
事業者が行うべき調査など (第28条2) |
建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じんなどによる、または作業行動その他業務に起因する危険性または有害性などを調査し、その結果に基づいて措置を講じるほか、労働者の危険または健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。 |
違法な指示の禁止 (第31条4) |
注文者は、その請負人に対し、当該仕事に関し、その指示に従って当該請負人の労働者を労働させたならば、この法律またはこれに基づく命令の規定に違反することとなる指示をしてはならない。 |
労働災害が起こった場合、被災した従業員は「療養の給付」または「療養の費用の支給」のいずれかが受けられます。
労災指定病院で治療を受ければ、被災者は治療費を最初から負担せず、無料で治療を受けられます。一方、指定を受けていない病院で治療を受けた場合、いったん治療費を支払い、後日、労働基準監督署へ負担した治療費を請求する手続きを踏まなくてはなりません。なお、労災保険が適用される業務災害の場合、健康保険の適用とならないため、いったん治療費を全額支払う必要があります。
労働災害が起こった場合、事業者は労働基準監督署への報告(死傷病報告)が義務づけられています。死傷病報告を届け出る場合、休業が4日以上と3日以下では届け出る用紙も、提出期限も異なりますので注意しましょう。
4日以上の場合…事故後、速やかに提出
3日以下の場合…四半期(1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月)ごとに、それぞれの期間の翌月末日までに提出
安全衛生を実践するためには、事業者と労働者が協力して行う必要があります。そのため、事業者は日頃から安全衛生に関する活動を行い、従業員の安全衛生に関する意識を高めておかなくてはなりません。例えば、以下のような活動が代表的なものとして規定されています。
安全衛生教育には、雇入れ時や作業内容を変更するときの教育、危険・有害業務へ就業させるときの特別教育、職長への教育などが挙げられます。労働安全衛生法では、例えば以下のようなことが規定されています。
雇入れ時 (第59条) |
事業者は、労働者を雇入れたときは、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行わなければならない。なお、この規定は労働者の作業内容を変更したときについても準用する。 |
職長、指導・監督者を新しく任じたとき (第60条) |
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、安全または衛生のための教育を行わなければならない。 1.作業方法の決定および労働者の配置に関すること。 2.労働者に対する指導または監督の方法に関すること。 3.前2号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。 |
中高年齢者などへの配慮 (第62条) |
事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。 |
国からの援助 (第63条) |
国は、事業者が行う安全または衛生のための教育の効果的実施を図るため、指導員の養成および資質の向上のための措置、教育指導方法の整備および普及、教育資料の提供その他必要な施策の充実に努めるものとする。 |
また、「健康の保持増進のための措置」「快適な職場環境の形成のための措置」が努力規定として位置づけられています。これらは義務ではありませんが、努力することが望ましいというものであり、近年注目されている健康経営にも関連する項目です。安全衛生にとどまらない健康経営を目指すなら、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
健康経営については、以下の記事で詳しく解説しています。
[健康経営とは?健康経営の導入効果や取り組み方を詳しく解説]
メンタルヘルス対策というと、どうしてもうつ病などの精神疾患を想像してしまいがちですが、職場におけるメンタルヘルス対策は精神疾患の予防や治療だけにとどまりません。初めに「安全衛生の考え方」でもご紹介しましたが、身体だけでなく心の不調も生産性の低下につながります。
このように、心身の疾患にまでは至らず就業はできているものの、心身に何らかの不調を抱えていて本来の力を発揮できていない、という状態のことを「プレゼンティーズム(Presenteeism、疾病就業)」と呼びます。プレゼンティーズムの状態の従業員が多くなれば、職場の生産性は下がってしまいます。
逆に言えば、既にプレゼンティーズムの状態の従業員がいる場合、心身の健康を取り戻せば、生産性やモチベーションのアップにもつながると考えられます。そのため、適宜ストレスチェックを行い、メンタルヘルス不調の時点でできるだけ取り除くことが理想的です。近年では、メンタルヘルスに関する問題の増加から、常時50人以上の従業員を抱える事業場ではストレスチェックが義務づけられるようにもなりました。
また、メンタルヘルス不全の状態でとどまらず、精神疾患などに進行してしまった場合、その原因が長時間労働などの事業者側の過失だと認められると損害賠償責任などを追求される場合があります。そのため、前述のストレスチェックだけではなく、以下のようなメンタルヘルス対策を取り入れる企業が増えています。
ここまでご紹介してきた安全衛生の考え方や、事業者が行うべき対策に基づき、事業者が整えなくてはならない安全衛生体制があります。整えるべき安全衛生体制は、事業場の常時使用する労働者数によって以下のように決まっています。
常時使用する労働者数 | 必要な労働衛生管理体制 (安全衛生管理者など) |
必要な労働衛生管理体制 (産業医) |
10〜49人 | (安全)衛生推進者1人 | - |
50〜200人 | (安全)衛生管理者1人 | 産業医1人 |
201〜500人 | (安全)衛生管理者2人 | 産業医1人 |
501〜1,000人 | (安全)衛生管理者3人 | 産業医1人 |
1,001〜2,000人 | 安全)衛生管理者4人(うち1人は専任) 総括安全衛生管理者 |
専属産業医1人 |
2,001〜3,000人 | (安全)衛生管理者5人(うち1人は専任) 総括安全衛生管理者 |
専属産業医1人 |
3,001人〜 | (安全)衛生管理者6人(うち1人は専任) 総括安全衛生管理者 |
専属産業医2人 または 専属産業医1人+産業医1人 |
産業医は、以下のような業務を行うこととされています(労働安全衛生規則14条)。
産業医には、専属産業医といくつもの事業場を訪問する産業医の2種類があります。専属産業医とは、その事業場に常時勤務している産業医で、いつでも従業員の心身のトラブルに対応できるようにしています。
一般的な業種の場合は、常時使用する労働者が1,000人を超える職場で専属産業医が必要となりますが、深夜業務や坑内業務、暑熱・寒冷な場所の業務など有害業務の場合は、常時使用する労働者が500人を超えた場合に専属産業医が必要とされます。
また、産業医には勧告や指導・助言などの権限があります。それぞれ、労働安全衛生法や労働安全衛生規則で規定されていますので、詳しく見ていきましょう。
総括安全衛生管理者は、以下のような業務を行うこととされています(労働安全衛生規則第3条の2)。
一般的な業種の場合は、常時使用する労働者の数が1,000人以上の場合に1人必要とされますが、以下のような一部の業種では、常時使用する労働者の数が少なくても、総括安全衛生管理者が1人必要とされます。
常時使用する労働者数が100人以上で必要な業種 | 林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業 |
常時使用する労働者数が300人以上で必要な業種 | 製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業 |
安全管理者は、以下のような業務を行うこととされています(労働安全衛生規則第6条)。
安全管理者は、下記業務のいずれかの場合について、常時使用する労働者数が50人以上になった場合、少なくとも1人必要とされます。以下の職種を除く業種の事業場においては、後述する衛生管理者を選任しますので、安全管理者の選任は必要ありません。
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業
衛生管理者は、以下のような業務を行うこととされています(労働安全衛生規則第11条)。衛生管理者は、常時使用する労働者数が50人を超える事業場においては、1人以上の選任が必要です。必要とされる人数は、事業場の規模によって異なります。
また、衛生管理者は、毎週1回の職場巡視を行い、以下のようなことを行います(労働安全衛生法第10条)。
安全委員会とは、労使が一体となって労働災害防止の取り組みを行う上で、従業員にとっての危険や健康障害を防ぐための対策など重要事項について、労働者の意見も反映させるよう、十分に調査・審議を行うための組織です。安全委員会は、設置すべき業種と事業規模が以下のように決まっています。
常時使用する労働者数が50人以上 | 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業および港湾運送業、自動車整備業、機械修理業ならびに清掃業 |
常時使用する労働者数が100人以上 | 運送業(上記を除く)、製造業(上記を除く)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 |
安全委員会では、以下のような調査・審議を行います(労働安全衛生法第17条)。
「労働者の危険を防止する重要事項」とは、以下の事項を指します(労働安全衛生規則第21条)。
また、安全委員会の委員は、以下の中から選ばれます(労働安全衛生法第17条2項)。
衛生委員会も、安全委員会と同様、労使が一体となって労働災害防止の取り組みを行うにあたり、従業員にとっての危険や健康障害を防ぐための対策といった重要事項について、労働者の意見も反映させるよう、十分に調査・審議を行うための組織です。衛生委員会は、常時使用する労働者の数が50人以上のすべての事業場で設置する必要があります。
衛生委員会では、以下のような調査・審議を行います(労働安全衛生法第18条)。
「労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項」とは、以下の事項を指します(労働安全衛生規則22条)。
また、衛生委員会の委員は、以下の中から選ばれます(労働安全衛生法第18条2項)。
安全衛生に関する法令は複数ありますが、ここでは、代表的な労働基準法、労働安全衛生法、労働安全衛生施行令、労働安全衛生規則について、詳しくみていきましょう。
労働基準法は、労働条件の最低基準を定めた法律であり、1947年に成立しました。労働者が人間らしく生活を営むために、労働者が持つ「生存権」の保障を目的としたものです。内容は労働契約、賃金、労働時間、休日、年次有給休暇、災害補償、就業規則などについて定められています。
日本国憲法第27条とは「労働権」であり、労働基準法は統一的な労働者のための保護法としての役割をになっています。そのため、仮に使用者と労働者との間で合意があったとしても、労働基準法の内容を下回る労働条件は無効なのです。
正社員はもちろん、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトの従業員など、日本国内で営まれるほとんどの事業に従事する労働者が対象となります。労働基準法の例外となるのは、家事使用人・同居の親族のみの事業や事業所のみです。労働基準法に違反したことがわかれば、罰則が課されます。
例えば、以下のような罰則があります。
どんな法律でも同じですが、労働基準法違反とならないよう、雇用契約や実際の業務ではよく注意しましょう。
労働安全衛生法は、もともと労働基準法の第5章に定められていた労働安全衛生に関連する規定を独立させる形で制定された法律です。1960年代以降の高度経済成長期に入り、大規模工事を実施したり労働環境が大きく変化したことで、労働災害が急増し、毎年6,000人以上もの死者が出るなど社会問題化しました。
労働条件の最低基準を守るだけでは、労働者の安全と健康を守ることが難しくなったという状況を受け、1969年から当時の専門家や労働省が中心となり、労働安全衛生に関する法令の整備を始めたのです。そして、1972年に労働基準法から分離・独立する形で「労働安全衛生法」として成立しました。
労働安全衛生法では、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成することが目的とされています。また、そのために「労働災害防止のための危険防止基準の確立」「責任体制の明確化」「自主的活動の推進」などが総合的に推進されています。
労働安全衛生法も、労働基準法と同じようにほとんどの業種の事業や事業所に従事する労働者が対象とされていますが、家事使用人・同居の親族のみの事業や事業所は対象となりません。また、すべての船員や鉱山、国会議員や国家公務員、地方公務員の一部など、労働安全衛生法の対象外となる労働者もいますので、注意が必要です。
労働基準法や労働安全衛生法は、法律です。すなわち、日本国憲法をベースとし、国会で制定された決まりのことを指し、日本国憲法の次に効力が強い法となっています。そして、法律の規定を実施するために内閣が制定するものを「政令」、政令の下位にあり、各省大臣が発するものを「省令」と呼びます。
労働安全衛生法施行令は「政令」、労働安全衛生規則は「省令」にあたります。まず、「法律」として労働安全衛生法があり、実施するための細かいルールを定めたものが「労働安全衛生法施行令」、さらに厚生労働大臣が詳細に実施内容を定めたものが「労働安全衛生規則」と理解すれば良いでしょう。
例えば、健康診断について労働安全衛生法では「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない(第66条)」とだけ定められています。実際に健康診断の項目を細かく定めているのは、労働安全衛生規則です。特に一般健康診断については、労働安全衛生規則の第43条〜45条、47条に詳しく規定されています。
安全衛生とは、従業員が心身ともに安全かつ健康に業務を行えるよう、労働環境を整えるための考え方です。従業員が不安を抱えたり、何らかの不調を抱えながら業務を行ったりしていると、企業としての生産性が落ちたり、イメージが悪くなったりしてしまうため、安全衛生のために一定のコストをかけることは必要経費でもあります。
事業者が行うべき安全衛生の体制・対策は多岐にわたります。従業員の心身の健康状態を管理するためには、Growbase(旧:ヘルスサポートシステム)などのクラウド型健康管理システムを使い、勤務状況や健康診断の結果、面談記録などを一元管理しておくと便利です。安全衛生について正しく理解し、従業員の心身の健康を守るためにも、法令を遵守しましょう。
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