職場の安全衛生を守るためには、専任の担当者が必要です。特に、常時使用する従業員が少ない事業場では、安全管理者や衛生管理者ではなく、安全衛生推進者または衛生推進者を選任しなくてはなりません。本記事では、安全衛生推進者とはどのような職務で、どんな選任要件があるのかご紹介します。安全衛生推進者について知りたい企業の人事担当者、経営者の方はぜひご一読ください。
安全衛生推進者とは、従業員数が10〜49人の事業場において、職場の安全衛生管理を行うために選任される者のことを指します。常時使用する従業員数が50人以上になると、安全管理者と衛生管理者をそれぞれ選任する必要があり、これらの選任が義務づけられていない事業場でも安全衛生の水準向上を図るために規定されています。
安全衛生推進者は、常時使用する従業員数が10人になってから14日以内に選任し、選任後は他の従業員にも周知するため、氏名を掲示する必要があります。ただし、衛生管理者や安全管理者のように、労働基準監督署に報告する必要はありません。
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業これらに含まれない業種の場合は、衛生推進者を選任しましょう。
安全衛生推進者は、以下のような業務を行います。
具体的には、以下のような職務が含まれます。
衛生推進者の場合、上記業務や職務のうち、衛生にかかわる業務だけを行います。そのため、安全衛生推進者の方が衛生推進者よりも担当する職務の範囲が広いのが特徴です。
安全衛生推進者、または衛生推進者の選任要件は、以下のいずれかを満たしていることです。
1〜4のいずれもいないという場合は、5に規定のある「都道府県労働局長の登録を受けたものが行う講習」を受け、修了すれば安全衛生推進者に選任できます。次章にて、講習の内容や事例について紹介します。
公益社団法人労務管理教育センターでは、安全衛生推進者養成講習と衛生推進者養成講習の2種類を行っています。それぞれの開催スケジュールや受講料、開催場所、定員などは以下の通りです。(HP:https://www.roukan.or.jp/eisei-suishinsya-schu.html)
<安全衛生推進者養成講習>
開催スケジュール:各月1回(会場による)
受講料:11,500円〜13,500円(会場による)
開催場所:東京、大阪、愛知、静岡、福岡、宮城
定員:48〜100名(開催場所による)
講習期間:1日目9:50〜16:20、2日目9:50〜16:30の計2日間
<衛生推進者養成講習>
開催スケジュール:各月1回
受講料:9,100円
開催場所:東京
定員:40〜100名(開催場所による)
講習期間:10:00〜16:40
中央労働基準協会支部では、安全衛生推進者養成講習と衛生推進者養成講習の2種類を行っています。それぞれの開催スケジュールや受講料、開催場所、定員などは以下の通りです。(HP:https://www.toukiren.or.jp/shibu/chuo/)
<安全衛生推進者養成講習>
開催スケジュール:HPでご確認ください
受講料:14,630円 ※税、テキスト、資料代込
開催場所:中労基協ビル4階ホール
定員:80名
講習期間:1日目9:25〜16:15、2日目9:25〜16:15の計2日間
<衛生推進者養成講習>
開催スケジュール:HPでご確認ください
受講料:9,900円 ※税、テキスト、資料代込
開催場所:中労基協ビル4階ホール
定員:80名
講習期間:9:25〜16:15
一般社団法人安全衛生マネジメント協会では、安全衛生推進者養成講習と衛生推進者養成講習の2種類を行っています。それぞれの開催スケジュールや受講料、開催場所、定員などは以下の通りです。(HP:https://www.aemk.or.jp/)
<安全衛生推進者養成講習>
開催スケジュール:会場による
受講料:17,600円 ※税、教材費込
開催場所:埼玉、千葉、愛知、福岡
定員:開催場所による(※記載なし)
講習期間:1日目9:30〜16:00、2日目9:30〜16:00の計2日間
<衛生推進者養成講習>
開催スケジュール:会場による
受講料:9,350円 ※税、教材費込
開催場所:東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、兵庫、福岡
定員:開催場所による(※記載なし)
講習期間:9:30〜16:00、または10:00〜16:30(会場による)
安全衛生推進者は、事業場で働く労働者の数が少ない場合に設置される、安全管理者や衛生管理者と同様の職種です。そのため、安全管理者や衛生管理者と同じように、職場の安全衛生を確保するのが主な業務とされています。従業員の心身の安全衛生を確保するためには、普段の勤務状況や健康診断の受診状況、結果などを把握しなくてはなりません。
こうした勤務状況や健康情報は、紙ベースで管理していると非常に煩雑になりがちですが、Growbase(旧:ヘルスサポートシステム)などのクラウド型健康管理システムを使えば、一元管理できておすすめです。職場の安全衛生管理を任された、あるいは考えているという場合は、ぜひクラウド型健康管理システムの導入をご検討してみてはいかがでしょうか。
Growbaseを導入することにより、健康管理業務にかかる時間や工数を削減することが可能です。組織全体の健康課題を可視化することで、早めのフォローを実施しやすくなります。
また、使いやすいUIと自由度の高い機能を備えており、個別・一括メール配信、面談記録、受診勧奨、部下状況、特殊健康診断の業務歴調査と管理、健診データ一元化、各種帳票出力(労基報告など)、ストレスチェック、長時間労働管理などの機能が充実しています。
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<監修者プロフィール>
医師、公認心理師、産業医:大西良佳
医学博士、麻酔科医、上級睡眠健康指導士、セルフケアアドバイザー
北海道大学卒業後、救急・在宅医療・麻酔・緩和ケア・米国留学・公衆衛生大学院など幅広い経験からメディア監修、執筆、講演などの情報発信を行う。
現在はウェルビーイングな社会の実現に向けて合同会社ウェルビーイング経営を起業し、睡眠・運動・心理・食に関するセルフケアや女性のキャリアに関する講演や医療監修も行っている。