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健康診断の種類にはどんなものがある?項目や規定を詳しく解説

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従業員に健康診断を受けさせるのは、企業の義務と労働安全衛生法で定められています。しかし、一口に健康診断と言っても様々な種類があり、従業員に健康診断を受けさせたい担当者の方、管理経営者の方はどれを受けさせれば良いのかわからなくなってしまうこともあります。

そこで、本記事では健康診断の種類やその項目、定める法律について詳しく解説します。健康経営や健全な企業経営につなげたい担当者の方は、ぜひチェックしてください。

健康診断の種類は大きく分けて3つ

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健康診断には、大きく分けて「一般健康診断」「特殊健康診断」「行政指導による健康診断」の3つがあります。

  • 一般健康診断:業種や業態に関係なく、全ての事業所で実施が義務付けられている
  • 特殊健康診断:法で定められた有害業務に携わる労働者に実施が義務付けられている。法定で定められた健康診断と、指導勧奨による健康診断がある

では、それぞれの健康診断について詳しく見ていきましょう。

一般健康診断とは

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一般健康診断には、1年以内に1回企業が行う「定期健康診断」をはじめ、以下の7つがあります。

  • 定期健康診断
  • 雇入れ時健康診断
  • 海外派遣労働者のための健康診断
  • 特定業務従事者のための健康診断
  • 給食従業員の検便
  • 深夜業従事者の自発的健康診断
  • 労災保険の二次健康診断等給付

この記事では、深夜業従事者の自発的健康診断を除く6つの健康診断について解説します。

定期健康診断(法定健康診断)

定期健康診断は、労働安全衛生規則第44条に定められた健康診断です。

  • 対象者:常時使用する労働者
  • 実施時期:1年以内ごとに1回、定期に実施

「常時使用する労働者」とは、全ての正社員のほか、パート・アルバイトであっても以下の条件を満たす場合は該当します。

  • 無期契約、または1年以上の有期契約である
  • 週の所定労働時間数が、正社員の4分の3以上である
定期健康診断では、以下の11項目を検査します。
  • 既往歴および業務歴の調査
  • 自覚症状および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査
  • 胸部X線検査および喀痰検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量および赤血球数)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GT(γ-GTP))
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖またはHbA1c、やむを得ない場合は随時血糖(食後3.5時間以上経過))
  • 尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査

雇入れ時健康診断

雇入れ時健康診断は、労働安全衛生規則第43条に定められた健康診断です。

  • 対象者:常時使用する新たに雇い入れる労働者
  • 実施時期:雇入れ時

定期健康診断と同じように、常時使用する労働者には一定の条件を満たしたパート・アルバイトの従業員も含みます。 基本的には定期健康診断と同じ項目を検査しますが、定期健康診断の場合、年齢や医師の判断によって省略できる検査もあるのに対し、雇入れ時健康診断では検査を省略することができません。また、喀痰検査は検査項目に含まれません。

海外派遣労働者のための健康診断

海外派遣労働者のための健康診断は、労働安全衛生規則第45条の2に定められた健康診断です。

  • 対象者:海外に6ヶ月以上派遣する労働者
  • 実施時期:6ヶ月以上海外に派遣しようとするとき。6ヶ月以上の海外勤務から帰国させ、国内の業務に就かせるとき

項目は定期健康診断と同じですが、身長・体重・腹囲・視力・聴力・胸部X線検査と喀痰検査以外は省略ができません。また、医師が必要と判断した場合には、以下の項目を実施する必要があります。

  • 腹部画像検査(胃部X線検査、腹部超音波検査)
  • 血中尿酸量検査
  • B型肝炎ウイルス抗体検査
  • ABO式および、Rh式の血液型検査(派遣前実施)
  • 糞便塗抹検査(帰国時実施)

特定業務従事者のための健康診断

特定業務従事者のための健康診断は、労働安全衛生規則第45条で定められた健康診断です。

  • 対象者:労働安全衛生規則第13条第1項第3号に掲げる業務に常時従事する労働者
  • 実施時期:6ヶ月以内ごとに1回、定期に実施

これも項目は定期健康診断と同じですが、以下の項目については場合によって省略が可能です。

  • 胸部X線検査および喀痰検査は、1年に1回で足りる
  • 45歳未満(35歳及び40歳の方を除く)の聴力検査は、医師が適当と認める聴力検査を用いてよい
  • 年2回の聴力検査のうち1回は、医師が適当と認める方法を用いてよい
  • 40歳未満(35歳の方を除く)の年2回の貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、心電図検査のうち1回は、医師の判断により省略可能

給食従業員の検便

給食従業員の検便は、労働安全衛生規則第47条で定められた健康診断です。

  • 対象者:事業場付属の食堂または炊事場における、給食業務に従事する労働者
  • 実施時期:雇入れ時、配置換え時

検便による健康診断とは、赤痢菌・サルモネラ菌・O-157などの伝染病を発症する細菌を保菌していないかどうか、細菌学的な検査を行うものです。そのため、定期健康診断などの項目を行うのではなく、検便のみを行います。

労災保険の二次健康診断

上記のような一次健康診断で異常が認められた場合、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断、および脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導を1年度以内に1回、無料で受診できる制度があります。これを「労災保険二次健康診断等給付」と言います。

労災保険加入者が、一次健康診断において以下の所見のすべてが異常だった場合、または産業医などが就業状況などを総合的に勘案した結果4項目すべてに所見がない場合でも一定の項目に所見が認められ「労災二次健康診断を実施する必要あり」と診断された場合、この制度を利用して負担金なく追加の受診が可能です。健康診断で異常所見が見つかった場合は、ぜひ利用してください。

  • 血圧
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖またはHbA1c、やむを得ない場合は随時血糖(食後3.5時間以上経過))
  • 腹囲の検査またはBMIの測定

特殊健康診断とは

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特殊健康診断とは、法で定められた有害業務に常時従事する従業員に対して行う健康診断のことです。原則として、雇入れ時、配置替えの際および6月以内ごとに1回(じん肺健診は就業時・管理区分に応じて1~3年以内ごとに1回の定期健診と定期外、離職時)、それぞれ特別の健康診断を実施します。主な特殊健康診断には、以下の7つがあります。

じん肺健康診断

じん肺健康診断とは、「じん肺法施行規則別表」で定められた24の粉じん作業に従事した、あるいは従事している労働者に対し、就業時・離職時と定期・定期外に、また条件に当てはまる場合定期外に遅滞なく行う健康診断です(じん肺法第3条、第7~第9条の2)。
  • 粉じん作業についての職歴の調査
  • X線写真による検査(胸部全域のX線直接撮影)
胸部X線写真による検査で異常が見つかった場合は、胸部に関する臨床検査や肺機能検査、結核精密検査などを必要に応じて実施します。

有機溶剤健康診断

有機溶剤健康診断とは、法令で定められた有機溶剤業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断です(有機溶剤中毒予防規則第29条)。
  1. 業務の経歴の調査
  2. 作業条件の簡易な調査
    1. 有機溶剤による健康障害の既往歴の有無の調査
    2. 有機溶剤による健康障害の自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無の調査
    3. 有機溶剤中毒予防規則別表に示す尿中の有機溶剤の代謝物の量の既往の検査結果の調査
    4. 有機溶剤中毒予防規則別表に示す血色素量、赤血球の検査、肝機能検査、眼底検査についての既往の異常所見の有無の調査
    5. 医師が必要と認めて行った作業条件の調査、貧血検査、肝機能検査、腎機能検査、神経学的検査についての既往の異常所見の有無の調査
  3. 有機溶剤による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査
また、使用している有機溶剤によって、あるいは医師の判断によって、他の検査も必要となる場合があります。

鉛健康診断

鉛健康診断とは、法令で定められた鉛業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断です(鉛中毒予防規則第53条)。
  • 業務の経歴の調査
  • 作業条件の簡易な調査
  • 鉛による自覚症状および他覚症状の既往歴の有無の調査、血液中の鉛の量および尿中のデルタアミノレブリン酸の量の既往の検査結果の調査
  • 鉛による自覚症状または他覚症状と通常認められる症状の有無の検査
  • 血液中の鉛の量の検査
  • 尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査
その他、医師が判断した場合には、貧血検査や神経学的検査が必要となることもあります。

高気圧健康診断

高気圧業務健康診断とは、高圧室内業務または潜水業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断です(高気圧作業安全衛生規則第38条)。 高気圧業務健康診断では、最初に以下の第一次健康診断を行います。
  • 既往歴および高気圧業務歴の調査
  • 関節、腰もしくは下肢の痛み、耳鳴りなどの自覚症状または他覚症状の有無の検査
  • 四肢の運動機能の検査
  • 鼓膜および聴力の検査
  • 血圧の測定ならびに尿中の糖および蛋白の有無の検査
  • 肺活量の測定
第一次健康診断の結果、医師が必要と認めた場合には、以下の第二次健康診断を行います。
  • 作業条件調査
  • 肺換気機能検査
  • 心電図検査
  • 関節部のX線直接撮影による検査

電離放射線健康診断

電離放射線健康診断とは、放射線業務に従事し管理区域に立ち入る労働者に対して行う健康診断です(電離放射線障害防止規則第56条)。
  • 被爆歴の有無の調査
  • 白血球数および白血球百分率の検査
  • 赤血球数、血色素量またはヘマトクリット値の検査
  • 白内障に関する眼の検査
  • 皮膚の検査

白血球数および白血球百分率、赤血球数、血色素量またはヘマトクリット値の検査、白内障に関する眼の検査、皮膚の検査については、医師の判断で省略することもできます。

また、定期的に行う健診では、前年の実行線量当量が5mSvを超えず、その年も5mSvを超えるおそれのない場合に限り、医師が必要でないと認めれば「被爆歴の有無の調査」以外の全てまたは一部を省略できます。

石綿健康診断

石綿作業従事者に対する健康診断とは、石綿の粉じんを発散する場所の業務や試験研究で従事する、従事した労働者に対して行われる健康診断です(石綿障害予防規則第40条)。

まず、以下の一次健康診断を行います。

  • 業務の経歴の調査
  • 石綿によるせき、たん、息切れ、胸痛などの他覚症状または自覚症状の既往歴の有無の検査
  • せき、たん、息切れ、胸痛などの他覚症状または自覚症状の有無の検査
  • 胸部のX線直接撮影による検査
一次健康診断で異常が見つかった場合は、以下の二次健康診断を行います。
  • 作業条件の調査
  • 胸部のX線直接撮影による検査の結果、異常な陰影がある場合で、医師が必要と認めるときは、特殊なX線撮影による検査・喀たんの細胞診又は気管支鏡検査

特定化学物質健康診断

特定化学物質健康診断とは、法令で定められた特定の化学物質を製造・取り扱う業務に従事する労働者に対して行う健康診断です(特定化学物質等障害予防規則第39条)。診断項目は各化学物質によって細かく異なりますので、事業所で取り扱う物質によってよく確認しましょう。

行政指導による健康診断とは

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法律で定められた業務以外でも、健康に影響を及ぼすおそれのある有害業務については、指導勧奨により特殊健康診断を実施することが義務づけられています。対象時期は健診の種類によって異なります。

指導勧奨による健康診断には以下のようなものがありますが、他に様々な健康診断が定められています。詳しくは、産業医や各自治体にご相談ください。

  • 情報機器作業健康診断
  • 騒音作業健康診断
  • 腰痛健康診断

従業員の健康診断の種類はクラウド型健康管理システムで一元化

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健康診断の種類には様々な種類があり、どの従業員がどの健康診断を受診すべきかの管理は面倒なものです。Growbase(旧:ヘルスサポートシステム)のクラウド型健康管理システムなど、健康診断の管理をシステム化すれば、従業員の実施すべき健康診断の種類や記録の管理を一元化してわかりやすく管理できます。ぜひ一度ご検討ください。

まとめ

健康診断には様々な種類があり、従業員に対して実施が義務付けられている定期健康診断以外にも、従事する業務によって受診すべき健康診断が定められている場合があります。

各従業員が受けるべき健康診断の種類や、記録を管理するためにはクラウド型健康管理システムが便利です。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

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