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健康診断を会社で実施する際に押さえておくべきポイントを解説

健康診断は会社が定期的に実施しなくてはならない義務の一つです。しかし、健康診断を実施するにあたって、誰が対象になるのか、いつやればいいのか、費用はどれくらいか、など詳細について理解している担当者は少ないのではないでしょうか。

今回は、健康診断を実施する際のポイントや注意点を紹介していきます。この記事を参考に、健康診断の基礎知識を確認してみてください。

健康診断の種類

健康診断には大きく分けて2種類あります。1つ目が一般健康診断で、2つ目が特殊健康診断です。会社に在籍している従業員の働き方によって、受けるべき健康診断が変わるので注意してください。

1つずつ解説していきます。

一般健康診断

一般健康診断は仕事の種類や勤務時間に関係なく基準を満たす従業員に対して実施する健康診断で、すべての会社で実施する必要があります。

一般健康診断に含まれる健康診断は下記の7種類です。

  • 雇入れ時健康診断
  • 定期健康診断
  • 特定業務従事者の健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • 給食従事者の検便
  • 深夜業従事者自発的健康診断
  • 労災保険の二次健康診断等給付

それぞれの健康診断の内容は厚生労働省が定め、労働安全衛生法で規則が決められています。

特殊健康診断

特殊健康診断は特定の業務に従事する人だけが受ける健康診断で、労働安全衛生法施行令第22条第1項に対象となる有害業務が定められています。

【有害業務】

  1. 高圧室内作業および潜水作業
  2. 放射線業務・除染等業務
  3. 特定化学物質の製造、取扱業務
  4. 鉛業務
  5. 四アルキル鉛業務
  6. 有機溶剤の製造、取扱業務
  7. 石綿の粉じんを発散する場所における業務

また、これらのほかに粉塵作業に従事する(従事した)労働者に対し、じん肺法によりじん肺健康診断の実施が事業者に義務付けられています。

特殊健康診断を実施し、業務内容・環境と健康診断の結果を照らし合わせることで、業務による健康被害を未然に防ぐことを目的にしています。

健康診断はいつ実施するか

健康診断は1回だけに限らず、決められた期間ごとに実施する必要があります。それぞれの健康診断によって実施するタイミングが異なるため、会社の業務内容に応じて健康診断を実施します。

雇入れ時健康診断

雇入れ時健康診断は、従業員を新しく雇用した時に実施する健康診断です。実施のタイミングは、雇用者が業務を開始する前、もしくは開始後速やかに実施することが望ましいとされています。明確な時期については記載されていませんが、遅くとも配属部署に配置される前が適切と言われています。

中途採用で新入社員の従業員を雇用した場合には、すぐに健康診断を実施してください。

定期健康診断

定期健康診断の実施回数は1年に1回と定められています。実施の月については指定がなく、毎年同じ時期であれば会社の事業場ごとに適宜決められます。

特殊健康診断

特殊健康診断は雇入れ時、該当業務の配置替え時に加え、6ヶ月ごとに1回、定期に実施しなくてはなりません。特殊健康診断では、定期健康診断の内容に加え、業務内容に応じた検査を行います。

健康診断の対象について

続いて、健康診断の対象者について解説します。従業員の中で、どこまでが健康診断の対象者なのか、詳しく理解していない部分があるかもしれません。しっかりと対象者の規定についても理解しておきましょう。

正社員は必ず実施する

会社は必ず正社員に定期健康診断を実施しなければなりません。正社員として雇用契約を結んだ従業員には時期を通知し、必ず健康診断を受診してもらってください。従業員の人数が50人を超える場合には、所轄の労働基準監督署長あてに「定期健康診断結果報告書」の提出が必要です。

アルバイト・パートは一定基準を満たした場合のみ

次にアルバイト・パート雇用の従業員についてです。アルバイト・パート従業員は、1週間の労働時間数が正社員の労働時間の4分の3以上ある方のみ健康診断の対象になります。正社員が週に40時間働いている会社であれば、30時間以上勤務しているアルバイト・パート従業員が健康診断の対象者です。

基準を満たすアルバイト・パートに対して健康診断を行わない場合も、法律違反としてみなされることがあるため、必ず実施してください。

健康診断にかかる費用と経費計上のポイント

健康診断に関係する費用についてまとめました。健康診断にかかる費用を正しく経費計上するためのポイントを紹介します。

健康診断の費用の相場

健康診断の料金は実施する医療機関ごとに異なり、検査項目の内容によっても大きく変わってきます。相場は従業員1人につき8,000円から15,000円です。ただし、会社の従業員数や健康診断の実施方法によっても値段が変わってくるので、医療機関に相談が必要です。

従業員数が多く、事業所が全国にある場合は、各従業員が会社から指定された日に医療機関で健康診断を行うなど様々なパターンが考えられます。

福利厚生費として扱われるためには?

健康診断の実施にかかる費用は、福利厚生費としてしっかり計上したいところです。経費として計上するポイントは3つあります。1点目は、従業員・役員全員が健康診断を受診していること。2点目は、健康診断の範囲が常識的な範囲であり、従業員・役員の健康管理を目的としたものであること。3点目は、健康診断の費用は健康診断実施機関に会社が直接払いしていること。

従業員の中で受診しない者がいたり、役員だけが高額な人間ドックを受けていたり、というように従業員間で不公平な健康診断が実施されていると、経費計上が難しくなるため注意が必要です。

健康診断を実施する際の注意点やポイント

健康診断を実施する上で注意するべきことや、知っておきたいポイントをまとめました。

定期健康診断の実施費用は全額会社負担

健康診断の実施費用は全て会社が負担します。ただし、人間ドックなどの高額な健康診断を受ける場合は、定期健康診断に相当する部分の費用のみ、会社が一部負担することも可能です。その際には、トラブルを防ぐため、事前に従業員に通知しておくことが望ましいです。

健康診断の実施は会社の義務であり、1年に決められた回数の健康診断を従業員に受けさせる必要があります。従業員が、会社経由ではなく個別で健康診断を受けた場合でも、後からその分の費用を返還しなければなりません。

また、標準的な健康診断に加え、人間ドックやがん検診などのオプション検査を受ける場合は、会社負担ではなく従業員の自己負担で受けることもできます。

健康診断の時間は給与を払う

健康診断を受けている間、会社は従業員に対して給与を支払うのが一般的です。健康診断は業務と直接かかわりがないため、労働時間とみなして賃金を支払うかどうかは、会社と雇用者の間で取り決める領域です。

しかし、給与を支払わなければ従業員から不満の声が上がると予想されるため、給与を支払うことが望ましいでしょう。

健康診断を実施しなかったときのリスク

最後に健康診断を実施しなかった場合の注意点についてです。会社には、従業員の健康診断を実施する義務があります(労働安全衛生法第66条)。健康診断の実施や報告義務を怠った場合は、50万円以下の罰金が科される可能性があります(労働安全衛生法第120条)。

健康診断を正しく実施しなかったために、法律違反になってしまうこともあります。罰金を課されないためにも、適切に健康診断を実施しましょう。

まとめ

今回は会社で実施される健康診断に関する情報をまとめました。健康診断の対象になる従業員の区分や、値段、実施タイミングなど知っておくべき情報がたくさんあります。実施における注意点について改めて確認し、健康診断の実施に向けて準備をしてみてください。

Growbaseを導入することにより、健康管理業務にかかる時間や工数を削減することが可能です。組織全体の健康課題を可視化することで、早めのフォローを実施しやすくなります。

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執筆者:Growbase編集部

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