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SDGs目標3.すべての人に健康と福祉を|会社でできる取り組み

昨今の新聞やニュース番組で、「SDGs」という言葉を見かけたり聞いたりした経験はありませんか。社会にとって重要な取り組みであることや、会社でも実践していくべきものであることはわかっていても、今更人にも聞きにくいと感じている方もいるでしょう。

そこで本記事では、SDGsとは何かを解説しながら、会社でもできる取り組みの1つである「目標3」についてもご紹介します。本記事を参考にしながら会社でのSDGs達成に向けて取り組んでいきましょう。

SDGsとは

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、「Sustainable Development Goals」の略称で“持続可能な開発目標”を意味します。2015年から2030年の15年間において世界で達成すべき指針として、2015年9月に開かれた国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ(=SDGs)」が採択されました。

しかしながら、採択された当時はまだSDGsという言葉さえ知らなかった人も多いでしょう。近年になってようやくSDGsが浸透し始めたのは、2020年1月に取り組みを拡大させる「行動の10年(Decade of Action)」がスタートしたためです。

SDGsは17の目標から構成され、世界中の誰もが分かりやすいようにカラフルなアイコンで表されています。これらの17の目標では、それぞれターゲットを設定。世界中の誰も取り残されないよう具体的に設定されていて、全部で169ものターゲットがあります。

SDGs目標3とは

SDGsの目標3は、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」というテーマのもとに掲げられました。

なぜSDGsに目標3が掲げられているのか

日本では、体調が悪くなった時はすぐに医療を受けられる体制が整っています。しかし、世界中どこの国でも、医療が充分に提供されている訳ではありません。そのため人種や経済的状況にかかわらず、誰でも健康で長生きができる世界になるようにと、目標3が掲げられました。

目標3における「健康」とは、身体的な意味だけではなく、精神的な意味も含まれています。たとえば、対人関係や社会的環境、経済状況などでストレスを抱えていたとしましょう。それらのストレスを発散する機会がなく、積もり積もってしまえば、心身症の原因になります。

病は気からという言葉があるように、精神的な健康は身体的な健康にも直接かかわってくるものです。体も心も、ともに健康でいられる社会づくりと福祉の充実を世界で実現させるために、目標3において「すべての人に健康と福祉を」と唱えられているのです。

目標3における13のターゲット

目標3では、以下の13個のターゲットを対象としています。

3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を10万人当たり70人未満に削減する。

3.2 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児および5歳未満時の予防可能な死亡を根絶する。

3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処する。

3.4 2030年までに、非感染症疾患(NCD)による早期死亡を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健および福祉を促進する。

3.5 麻薬乱用やアルコールの有害な摂取を含む、薬物乱用の防止・治療を強化する。

3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。

3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育、およびリプロダクティブ・ヘルスの国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関するヘルスケアをすべての人々が利用できるようにする。

3.8 すべての人々に対する財政保障、質の高い基礎的なヘルスケア・サービスへのアクセス、および安全で効果的、かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンのアクセス提供を含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。

3.9 2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質および土壌の汚染による死亡および病気の件数を大幅に減少させる。

3.a すべての国々において、たばこ規制枠組条約の実施を適宜強化する。

3.b 主に開発途上国に影響を及ぼしている感染性および非感染性疾患のワクチンおよび医薬品の研究開発を支援する。また、ドーハ宣言に従い安価な必須医薬品およびワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護およびすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を完全に行使する開発途上国の権利を確約したものである。

3.c 開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国において保健財政、および保健従事者の採用、能力開発・訓練、および定着を大幅に拡大させる。

3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康リスクの早期警告、リスク緩和およびリスク管理のための能力を強化する。

引用:目標 3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する | SDGs | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

ターゲットには具体的な病名や数値などが挙げられていますが、これは各国それぞれが達成する国別の問題ではありません。SDGs目標3では、国や地域を越え、世界単位で医療や福祉を充実させることを目指しています。

SDGs目標3のために会社でできること

会社としてSDGs達成のために何か取り組みたいと考えていても、具体的に何をしたらいいか分からないという人もいるでしょう。医療や福祉に貢献できるメーカーや研究機関であれば、ダイレクトに参画できるかもしれません。

しかし、そういった業界や業種でなくても、実は企業として当たり前だったり、SDGsへの取り組みとしては意識的に行っていなかったりする活動が、SDGs実現への第一歩となっています。

健康診断

普段何気なく受けている会社の健康診断は、SDGs目標3への取り組みの1つといえるでしょう。従業員の身体状況を管理・把握していることは、産業医との面談や再検査などの受診勧奨に役立ちます。

健康診断は従業員の健康を増進するための働きとなり、結果的にSDGs目標3の達成に貢献するのです。また、従業員としても健康診断や再検査、がん検診などを受けることは、会社の健康経営®︎に参加していることになります。健康診断を受けてもらうことも受けることも、目標3達成のための取り組みの一つです。

ストレスチェック

従業員が50人以上の事業場で義務付けられている、ストレスチェックの実施。こちらも従業員の心の健康を守る取り組みとして、SDGs目標3達成の一環になります。

労働時間の管理

働き方改革が進められているといえど、完全にはなくなっていない長時間労働や過重労働。これらもストレスの大きな原因となりうるため、労働時間の管理をすることは社員の健康を守ることに繋がります。

面談

健康診断結果や診断書、ストレスチェック、長時間労働などのデータから、産業保健スタッフや役職者、人事・労務担当者との面談を行うことも、目標3への取り組みとして挙げられるでしょう。

産業保健スタッフとの面談では身体的かつ精神的側面から、役職者、人事・労務担当者との面談では労働環境の側面から、従業員の「健康」をサポートできます。

SDGs目標3を達成させるには健康管理が不可欠

SDGs目標3の目指す未来は、誰もが差別なく健康的な生活を確保し、充実した福祉を受けられる世の中にすることです。先述したように、日本は比較的医療体制が整っていますが、誰もが「健康」かといえばそうではないでしょう。

日本での「健康」を実現するには、予防と治療が重要な1つの取り組みだといえます。

あなたの企業では従業員の健康情報管理はどのようにしていますか。健診結果や再検査の通達、面談結果など、産業保健スタッフや医療機関との間で発生する通知のやり取りは、紙での管理をしていませんか。

紙で健康情報の管理を行っていると、書類がかさばって管理が煩雑になることもあります。一方で、紙の情報をデータ化するとしても、データの入力には大きな手間がかかります。

そこでおすすめなのが、ペーパーレスで健康情報の管理ができるクラウド型健康管理システム『Growbase(旧:ヘルスサポートシステム)』。健診結果やストレスチェック、労働時間を一括で管理することができます。

再検査が必要な従業員や高ストレス者、長時間勤務者を簡単に抽出できるため、予防と治療のための迅速な対応が取れ、従業員の体と心の健康をいち早く守れます。

まとめ

会社で健康経営を推進していくことは、すなわちSDGs目標3に取り組むということです。日本や世界の目標を達成するには、1つ1つの会社がそれぞれできることをし、達成に向けた努力をすることが重要です。

SDGsは国際的で大きな指針ですが、そのためにできることは意外にも簡単です。まずは「会社」という世界から、健康と福祉を充実させていきましょう。

参考:SDGs目標8.働きがいも経済成長も|会社で取り組めること

「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。


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