健康診断の尿検査でわかること|結果の見方とよくある疑問

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小さい頃から何気なく受けている「尿検査」。健康管理のために毎年受けるものであることは分かっているものの、尿からどんなことが分かるのか、尿検査で再検査が必要になった場合どんな対応をすべきかは、よくわからないという人事・総務部の担当者の方もいるでしょう。

今回は尿検査の意味やよくある疑問への回答、結果の見方などをご紹介します。来たる健康診断に向け、健康経営を推進していきたい企業や社内の健康情報を活用していきたい企業の人事・総務部の担当者や役職者の方は、ぜひご一読ください。

健康診断の尿検査でどんなことがわかるのか

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尿検査は、採尿をして「尿の成分」を調べる検査です。尿は体調や生活環境、摂取した成分などでも変化が出るため、においや色、量からも健康状態をセルフチェックできます。

しかし、それらの情報だけではわからない健康状態が尿には表れているのです。

尿検査でわかること

尿検査では、以下の5つの項目について調べます。

  • 尿蛋白
  • 尿糖
  • 尿潜血
  • 尿沈渣
  • 尿比重

これらの項目から、腎臓病や膀胱・尿管・尿道、糖尿病などの病気の可能性を調べることができます。また、心臓病や肝臓病、ストレス、妊娠までも尿で兆候を知ることができるため、簡易的な健康診断でも必ず実施されている検査です。

採尿はいつするべきか

採尿に適した時間は、健康診断を受ける時間によっても異なります。午前中に健診を受ける場合は起床後最初の尿を、午後に健診を受ける場合は来院直後の尿を採取するのがよいです。

採尿は自宅で行うようにあらかじめ検尿キットを渡されることもありますが、前日以前の尿を採取して保存してはいけません。必ず当日の決められたタイミングで採尿してください。

尿検査前日・当日は食事を取っていいのか

尿検査前日は、自由に飲食できます。ただし、ビタミン剤やドリンク剤、ビタミンが含まれる薬などは尿の成分に影響が出て、正確な結果が判定できないため摂ってはいけません。

当日の朝食も尿検査に影響を与えることが考えられるため、朝食は摂らないようにあらかじめ従業員へアナウンスしましょう。

生理中でも検査は受けられるのか

生理中でも検査は受けられますが、経血の混入により「潜血」と判断されてしまう可能性があります。経血なのか病気などが由来する出血なのか判断がつかず、再検査になることも多いです。

健康診断当日に生理期間が重なることがわかったら、健康診断そのものを日程変更するか、後日尿検査だけ別途で受けることをおすすめします。従業員から生理になったとの相談があった場合は、医療機関へ相談しましょう。

健康診断における尿検査の結果の見方と基準値

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尿検査の基準値は、数値ではないためわかりやすいです。要注意や異常と判断された従業員がいた場合には、再検査や医療機関の受診勧奨をしましょう。

尿蛋白

尿に含まれるたんぱく質の量を調べる検査で、腎臓が正しく機能しているかどうかがわかります。何らかの原因で腎臓の機能が低下していると、本来は腎臓で処理されるべきたんぱくが尿に混じって排出されてしまいます。

なお、身体的には健康でも、激しい運動をした後や生理前後、発熱時、ストレスがあるときなどは異常値が出ることもあるので、再検査を受けてもらいましょう。

【基準値】
陰性(-)

【異常があった場合に考えられる病気】
・腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎など腎臓の病気
・膀胱炎、尿道炎などといった尿路の異常

尿糖

尿中のブドウ糖の量を調べる検査です。腎臓の機能低下や血糖値が一定数値を超えたときなどに、糖が尿中に漏れ出てきます。まず考えられる病気としては糖尿病がありますが、妊娠中や高齢の場合は糖が出やすいです。

若くても、疲労やストレスで糖が出てくることがありますので、異常が見られる際には再検査を勧めてください。

【基準値】
陰性(-)

【異常があった場合に考えられる病気】
糖尿病、甲状腺機能亢進症

尿潜血

尿に血液が混じっているかどうかを調べる検査で、尿が排出されるまでの器官に異常があると、潜血が見られます。一時的な潜血はよくあることで、一度潜血が見られたからといって疾患があるとは限りません。

また、生理中の女性が尿検査を受けると、潜血と診断されることもあります。正しい結果を知るためには、いずれの場合も再検査が必要です。

【基準値】
陰性(-)

【異常があった場合に考えられる病気】
・急性腎炎、慢性腎炎、腎結石などの腎臓の病気や腫瘍
・尿管結石、尿管腫瘍、尿管異物などの尿管の病気や腫瘍
・膀胱炎、膀胱結石などの膀胱の病気や腫瘍
・尿道炎、前立腺炎などの尿道の病気や腫瘍

尿沈渣

尿を遠心分離器にかけたときに沈殿した尿中の細胞成分を調べる検査です。顕微鏡で観察して、細胞成分の数や形状から疾患を推測します。

なお、尿沈渣は全ての人に受けてもらう検査ではなく、尿蛋白や尿潜血で陽性となったときに行われる検査です。

【基準値】
・赤血球…1HPFに4個以内
・白血球…1HPFに4個以内
・上皮細胞…1WFに1個未満
・円柱細胞…1WFに0個
・結晶成分…1WFに0個
・HPF:強拡大視野 WF:全視野

【異常があった場合に考えられる病気】
・赤血球の異常…急性腎炎、慢性腎炎、腎結石など
・白血球の異常…腎盂腎炎、膀胱炎など
・上皮細胞の異常…膀胱炎、尿道炎など
・円柱細胞の異常…慢性腎炎、ネフローゼ症候群など
・結晶成分の異常…腎結石、急性肝炎、閉塞性黄疸など

出典:やさしい尿検査のお話

尿比重

腎臓の働きに異常がないかを調べる検査です。腎臓は体内の状況に応じて濃度の異なる尿を作って排泄させることにより、体内の水分量を調整しています。

しかし、腎臓に異常があるときは調整が利かず、基準値に比べてより高い数値が出ることがあります。

【基準値】
1.010~1.030

【異常があった場合に考えられる病気】
・尿比重が高い場合…糖尿病、ネフローゼ症候群、心不全、脱水症など
・尿比重が低い場合…慢性腎炎、腎不全、尿崩症など

出典:やさしい尿検査のお話

健康診断の尿検査で異常と診断されたら

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尿検査は疾患がなくとも、その時の身体の状態で異常値が出ることがあります。しかしながら、当然疾患が隠れていることも考えられます。特に、毎年異常値が出ていたら、疾患を持っている可能性が高くなります。

医療機関から再検査を求められているのであれば、当該の従業員へ受診勧奨をしてください。

尿検査の結果は一括してのデータ管理がよい

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尿検査は、健康診断当日の身体の状態によっても結果が左右されやすい検査です。再検査を勧奨されることもしばしばあるため、最初の検査と再検査のデータを一括して管理できた方が良いでしょう。また、尿検査に関わってくる腎臓は、一度機能が失われると回復することは難しいと言われています。だからこそ、前年度以前のデータもまとめて管理できるのがベターです。

企業の健康管理に特化したクラウドサービス『ヘルスサポートシステム(HSS)』なら、当該年度の最初の検査結果も再検査の結果も、データ上で一緒に管理できます。ペーパーレスにより、紙がかさばることもなく管理がしやすいというのがHSSの大きなメリットです。さらに、従業員ごとに前年度以前のデータと簡単に照らし合わせられるため、効率的な面談フォローや受診勧奨にも役立ちます。
健康診断全体の結果やストレスチェック、就労データなどもまとめて一元管理ができ、従業員の健康情報の管理も簡単です。現在、800社(※)を超える企業が健康経営推進のためにと導入しています。

※2021年2月18日時点

まとめ

健康経営は、健康診断を受けさせたり充分な休息を与えたりするだけではありません。従業員に対してあらゆる病気を予防・治療させることも、健康経営への取り組みの一つです。

尿検査での再検査要請は珍しいものではないかもしれませんが、思わぬ病気に侵されている可能性ももちろんあります。異常値が出た従業員には、再検査や受診勧奨が必要です。改めて、尿検査の重要度を再確認しておきましょう。

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執筆者:HSS編集部

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